文章から見る両得電車1

このページでは、両得電鉄にまつわる文学(と言えない文章)を公開しています。

読む前に注意していただきたいのは、作者は起承転結がはっきりとした文章を書くのがとても苦手であるという事です。それでも公開しているのは、読みにくくきちんとしたストーリー性もない文章の中から、登場人物や両得電鉄などの路線の光景を何となく感じてもらいたいからです。

「乗り鉄」

この文章内の情報は、2017年12月1日時点の情報です。

 友達が津喜県内の全路線を制覇したという。だから何だと思うかもしれないが、鉄道好きっていうのはすべての路線を制覇してやろうと思う人が多いのである。私もその中の一人で、行動力があるそいつに対抗して、ある休日に乗ったことがない路線に乗りに行くことにした。

 今日乗るのは、私が住むT市から電車でたぶん1時間くらいのところにある「奈原」という駅から発車する「津久茂電鉄」という路線だ。津久茂電鉄の実際の始発は別駅なのだが、多くの電車が奈原駅から発車するので便宜上奈原駅を始発駅とする。

 鉄道好きには細かいところを突っ込むやつが多い気がする。そういう私も、昔はそうだった。例えば「永京環状線は実際は環状線ではなく、浜茄子町から~~(中略)は永京環状線ではないのである」みたいなことだ。私の友達もそんな奴。決まっていることに対してのこだわりは強いが、決まっていないことや曖昧なことに対してのこだわりはない。なんでも白黒はっきりさせないと気が済まない奴なのだ。

 その証拠?? 彼の部屋を見てみるといい。「部屋をきれいにしないといけない」というルールは、少なくとも彼の部屋にはないようだ。どこかの山岳地帯を、まるで巨人になったかのような気分で歩く気分が味わえる。ちなみに、隣にある妹の部屋は、ドアの外からしか見たことがないがとても綺麗である。どうしてこんなに違うのか。

 ファッションも以前は適当に選んだ感が半端なかったが、最近は紺色の服にこだわり続けているようだ。これはある先生に「紺色の服に合うね」と言われたかららしいが、決して紺色の服を着なければならないというルールはないのに、なぜか彼は紺色にこだわる。

 話が逸れてしまったが、最寄り駅までやってきた。奈原まで行くルートをスマホで調べると、津喜駅で乗り換えて両得本線の電車で行くという経路が表示された。これは電車で行く場合の標準的なルートである。しかし、はっきり言って私も変わったやつである。さっき友達のことをひどく書いていたけれど、はっきり言って人の事を言える立場ではない。それは一体どういうことかというと、スマホのルートに従わずに奈原に行くという事である。

 この時点で、何を言っているのか理解できない人もいるであろう。ただ一つ言わせてほしい。私は、自分が変わっている人間であるという事を理解している。友達は、おそらく理解していない。だから、曖昧なこと、例えば、「マナー」にはきちんと配慮している。友達は、ルールで決められていないマナーを破る傾向がある。そいつ曰く、「マナーを守ってほしいなら、ルールにしてきちんと決めるべき」とのこと。

 奈原駅に行くルートとしてもう一つ考えられるのは、両武本線を利用するルートだ。しかし、このルートは鳴田という街を経由するため、遠回りになり時間がかかる。料金も高い。だから、このルートで奈原に行く人は少ない。

 私は思い付きで行動する人である。だから、突然本来のルートを逸れて寄り道をすることがある。寄り道と言っても、おいしそうな香りにつられて途中下車するわけでもなく、車窓がきれいだったので駅を降りて海岸沿いを歩くとかでもない。別の電車に乗り換えるのだ。

 「別の電車に乗り換えてしまったら、めんどくさいじゃねえか」

 確かにそうだ。でも、いつもは絶対に乗らないであろう電車に乗るのが、楽しいのだ。例えば、遠くへ行く路線の途中で分岐する短い路線とか、遠回りだけど目的地に行く路線だとか、そういう路線はぜひ乗っておきたいと思うのである。

 券売機で5000円の両得乗り放題切符を購入する。購入すると言っても、2016年以降津喜県内の両得電鉄線は紙の切符が廃止されている。だから、ICカードに乗り放題切符購入の情報を読み込ませ、有効期限内なら乗り降り自由になるようにしているのだ。ハイテクである。

 改札に入ってすぐさま向かったのは、古林方面のホームだった。

 隣に下野行き(若葉の森線直通)が止まっている。ああそうか、津喜駅ではなく津喜中央で乗り換えるルートもありか。そんなことを考えていると、電車のドアは閉まり、津喜駅とは真逆の方向へ動き始めた。

 両得乗り放題切符の特徴は、エリア内ならすべての駅で乗り降りが自由であることと、追加料金を支払えば特急にも乗車可能であることだ。有効期限は5000円タイプの場合、2日間。つまり、明日も乗り降り自由で使えるのである。

 目的地を決めても、私にとっては無意味。思い付きで目的地を変えることがよくある。友達はしっかりとした計画を立て、またダイヤ乱れ時の対処法まで考えたうえで旅をする。けれど、私は真逆。めんどくさがりなので、計画を立てることはない。また、「帰らなければならない時間までに帰れればいいじゃないか」と考える人なので、突然の計画変更も平気でする。

 今までで一番ひどかったのは、樫葉という駅から電車で1時間以上かかる来戸駅まで行こうとしたのに、「あと1時間もこの電車に乗らないといけないのか」と思い、次の停車駅で降りてしまった時だろう。あの時は、さすがの私も驚いた。

 今乗っている古林行きは、電車で30~40分行ったところにある古林へ行く。古林まで行ってしまうと、また乗り換えて得原線→桃志線と乗り換え、桃志で津久茂電鉄に乗り換えるルートとなる。実は途中で奈滝電鉄に乗り換えて奈原に行くルートもあるが、古林まで行かず、その手前の中沼駅で乗り換えるルートで行くことにした。

 中沼駅は津喜急行線と津電線に乗り換えられる駅だ。かつては津電線も津喜急行線も両得電鉄の路線ではなかったのに、ここ1年(2017年現在)で2路線とも両得電鉄の路線となった。若者の私でも「時代の流れは凄いな」と思うのに、じいちゃんとかはどう思っているんだろう。2路線のうち、津電線はあえて「津喜電鉄」時代のブランドを活かしているので、今も両得とは別の電車であると思っている人は多い。「津電」という路線名は津喜電鉄の略称だし、車両のデザインも違う。制服は両得電鉄の仕様になったけれど、そもそも気にする人があまりいない。おそらく、津喜電鉄時代から働く人に配慮しているのだろう。

 では、高架ホームへと上がって津喜急行線を東に行くことにする。津喜急行は10年くらい前(2017年時点)で街道宿までの路線だったが、現在は富街空港まで路線が伸びている。ここで一つ言っておくが、よくWebサイトで「10年ぐらい前は」という記述を見るたび、「いつの時点で10年前なんだよ」と突っ込んでしまう。だから、しつこいが「2017年時点」と書いておく。これは読者への配慮でもあるが、何より自分自身への配慮であるので理解していただきたい。

 街道宿は少し前まで通っていた学校がある街だ。はっきり言って、その頃のことはあまり思い出さないようにしている。仲良くする後輩がいるけれど、学校と後輩のことは切り離して考えている。楽しい思い出が多い学校なのだが、思い出したくないような失恋をしてしまった場所でもあるので、あまり思い出すと辛くなるのだ。悪いのは自分だったのだから。

 街道宿から先は新しい区間。ん?? できたのって2009年の事だから、その時に生まれた子供ってもう小学3年生くらいになっているということ!?

 この区間は「翔」が160km/h運転する区間である。翔とは空港に行く特急の名前であるが、正確なことを言うと特急ではなく「翔」という種別名らしい。でも大体の人が特急と言っている。両得の広報もそう言っていた。

 私が乗る急行は160km/hで走る「特急」から逃げるため、アクセル全開(ああこういう表現すると鉄道好きに「違うだろーー!!」って言われそう)で走っていく。

 急行は富街空港へ向かっている。ぼーっとしていたけれど、飽きてきたのでスマホをいじる。最近は車の事について調べているが、形を覚えても名前を覚えることはない。今見ているのはビアンカのアンジェラという車のページ。形は覚えた。それと、「アンジェラ」という名前は開発者の子供の名前から名づけられたことも覚えた。うん。でも、名前だけはすぐに忘れるんだよな。

 次に調べたのは飛行機について。理由は単純で、窓から飛行機が見えたからである。この時調べたのは、国内最小規模と呼ばれる地域航空会社「有田・紀州航空」についてである。飛行機を2機しか所有しておらず、路線も赤字なのに残り続ける理由を調べていた。

 「有田・紀州航空の本業は、不動産屋なのです」

 嬬恋っていうところに行った時、確かにあった気がする。「有田航空ホテル」。なぜ空港が近くにないのに「航空ホテル」なのか、あの時思った謎が解けた瞬間だった。

 ん??有田・紀州航空って2008年に潰れたんじゃなかったっけ??

 熱心に調べていたら、富街空港駅に着くところだった。せっかく富街空港駅に来たのだから、飛行機でも観察するか。いや、飛行機の観察は今回の目的ではないからやめよう。というわけで、改札を出てすぐ改札内に入る。終点に着いた時は、不正乗車にならないように必ず改札を出る。私の場合、電車の終点=改札を出てすぐ改札に入る駅だと思っている。

 次に乗ったのは、各駅停車津喜行き。この電車には富街まで乗る。またスマホで調べごとを使用と思ったが、眼がしんどくなってきたのでしばらくスマホはやめることにする。しかし、スマホをやめると暇でしょうがない。いつから私はスマホ依存になってしまったんだと嘆きながら、外の景色を眺める。でも、1分くらいながめ続けたら飽きた。結局、スマホを取り出してまたネットサーフィンしていた。

作者のコメント

作者は作文嫌いです。読書も嫌いです。昔から外で遊ぶのが好きな少年でした。

それでもちょっとした小話を書いてみようと思ったのは、架空鉄道の表現に限界を感じたからです。「より両得電鉄の芸術性を高めるためには」と深く考えた結果、拙い文章の中に空想世界の光景を織り交ぜるという手法を思い至ったのです。

もし読者のあなたが、拙い文章の中から空想世界の光景を感じ取ることができたならば、作者冥利に尽きます。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2018年03月10日

当ページ公開開始日 2018年03月10日