60系

1971年登場。1972年運行開始。

空港アクセスにも対応した新型特急

 1978年に開港した新永京国際空港(現:富街国際空港)。この空港へのアクセス手段として、当時計画中だった遠山原高速線の建設が進められていた。しかし、高速線に対する建設反対運動や用地買収の遅れに伴い、その開通が空港の開港に間に合わない可能性が出てきた。

 そこで第二のアクセス手段として本命視されていたのが、以前より両得電鉄が計画していた「富街空港線」である。この富街空港線を活用して上谷~富街空港間に特急を走らせることとなり、新型特急電車「60系」が開発された。

 60系特急型電車には二種類のタイプが存在する。一つは富街空港特急用に開発された0番台。もう一つは仁江・仙豊鉄道直通特急用に開発された50番台である。この二種類は走行機器こそ同じであるが、ボデーの塗装が異なるほか、大きな荷物にも対応した荷物置き場がある(0番台)かない(50番台)かの違いもある。

最新技術の採用

 60系ではできるだけ速く走るため、最高速度の引き上げのほかに「定速制御」を導入した。この定速制御は車におけるクルーズコントロールに近い機能であり、マスコンを一定の位置で止めることにより、列車速度を自動的に維持するものである。

 定速制御の採用にあたり、従来の抵抗制御のほか、新しい技術も検討された。その中で実際に採用されることとなったのが「界磁チョッパ制御」である。60系が登場した1972年時点では、開発されてから5年程度しか経過していなかった技術だが、新型特急に適した方式とされた。

 新しい技術が採用されたのは制御装置だけではない。運転台を見てみると。それまでの加速レバーとブレーキレバーが別になっているものではなく、一体化された「ワンハンドルマスコン」が採用されている。このワンハンドルマスコンは両手で操作するタイプのものである。従来とは操作性が大きく異なることから、1年程度かけて習熟訓練が行われた。

最初は南へ

 1972年にめでたく運行開始となった60系であるが、新永京国際空港の開港が延期され、新線の開通も延期されてしまった。そこで、最初の1年は上谷~奈原間の特急のみに充当し、1973年からは仙豊鉄道に乗り入れる「八田山特急(当時は上谷・津喜~八田山)」としても運行することにした。八田山特急として運行され始めた頃には、赤いボデーの50番台もデビューしている。

 0番台の八田山特急充当は、1978年の富街空港線開通と特急「翔」の運行開始に伴い廃止されている。

遠山原特急にも導入

 1979年からは遠山原特急にも導入されることになった。最初に導入された編成はそれまでの50番台と同じ設計であるが、1980年からはフロントデザインを変更したタイプが導入されている。このタイプは1988年まで導入された。

特急電車から通勤電車へ

 1988年に導入が終了した60系。その導入期間は16年という長期間にわたった。1990年からは後継型となる90系が登場し、1993年までに0番台を置き換えていった。しかし、0番台の車齢は20年程度とまだメンテナンスを行えば使える程度であり、余剰車両の活用を行うことになった。

 この時に決まったのが、0番台の走行機器と通勤電車の車体を組み合わせて使用するという方針である。当時の両得電鉄は複々線化の進行による増発や、ベイコネクト線延伸などの影響で通勤電車不足であり、できるだけ少ない予算で通勤電車を増やしたかった。

通勤電車への改造は1991年からスタート。1993年に60系の通勤電車仕様となる「800番台」がデビューした。800番台への改造は特急型タイプの置き換えが進むたびに進行し、2003年まで行われた。ちなみに、1996年までは80系0番台に準じた車体、1997年からは80系50番台に準じた車体に載せ替えられている。

角ばったタイプの引退

 角ばったデザインの車両は、1980年以降に導入されたタイプであるが、このタイプも2008年から置き換えられることになった。なお、初期の車両と異なり通勤電車への改造は行われていない。

 2010年までに全車両が遠山原特急から引退。その後、一部が仙豊支社に転属している。

更新工事

 少ない予算の中、できるだけ多くの通勤電車を導入するために登場した800番台だったが、走行機器は界磁チョッパ制御のままで、走行特性も他の通勤電車と異なっていた。特に時速45km/hでの回生失効は、運転士に不評だった。そこで、走行特性の共通化とメンテナンス性向上を目指し、2005年から走行機器の更新工事が行われることになった。

 800番台の更新工事は「新型車両と比べてそん色ないレベルにする」という方針で行われている。まず制御方式を界磁チョッパ制御からIGBT素子VVVFインバータ制御に変更。これに伴い、モーターを複巻整流子電動機からかご形三相誘導電動機に変更している。この際、VVVFインバータ装置やモーターなどの部品は10系0番台と同じものを採用したことにより、10系と同じ走行性能とすることができた。

 更新工事では走行機器だけでなく、車両モニタ装置(RIMS)の搭載も行われている。800番台には車両モニタ装置が搭載されていなかったため、この装置の搭載によりメンテナンス効率を向上させることができた。車両モニタ装置の搭載と同時に、運行情報などを受信して車内LEDに表示できる装置も設置。運行情報がある際に表示できるようになっている。

 1994年までに通勤電車化された車両は2005年と2006年に更新されたが、2007年~2010年の間には1997年~2003年に通勤電車化された車両が更新された。2007年以降に更新された車両は、VVVFインバータ装置を10系100番台に準じたものに変更している。一方、モーターは10系0番台と同じものが採用されており、部品を極力統一できるように配慮している。


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当ページ最終更新日 2019年02月17日