両得10系700番台 通勤電車

元津鐘電鉄800形

津鐘電鉄800形として登場

 2000年代初頭、14m級車両が多く在籍していた津鐘電鉄(当時)は、これらの車両をすべて長さ20mの車両に置き換えるための車両を開発した。それが800形(両得10系700番台)である。

 

「このデザインの車両って、8両が多いイメージだけど、10両で来ると少しラッキー」(20代男性)

「青い帯の電車だけど、少しだけ両得電鉄の車両とは雰囲気が違う」(30代女性)

「すべて10両に統一してくれないかな……」(40代男性)

 

 デビューした2005年から2015年まではすべての編成が8両編成だった。現在は一部の編成が新たに製造された中間車両を組み込んで10両編成となっている。

 1991年から2004年まで導入された700形は、近代的な設備を備えており概ね好評だった。だが、アルミ製の車体ではあったが塗装を車体全体に施しており、ステンレス無塗装の車体に変更することにより導入コストを削減できるのではないかという意見もあった。

 設計の際、社内外でアンケートを実施。このアンケートの結果をもとに、800形はデビューした。車体がステンレスに変更されただけではなく、700形のデザインを受け継いだ内装の採用、車いすスペース(当時の名称)の増設などが設計に取り入れられている。

 

標準は異端に……

 800形がデビューした2005年当時、津鐘電鉄は両得電鉄と合併することを一切考えていなかった。また、両得電鉄の路線「ベイコネクト」との直通乗り入れ計画は構想段階であり、具体化していなかった。そのような事情により、800形は両得電鉄の車両と異なる機器やシステムを採用している。

 両得10系がNTR今北I1600系をベースとした設計なのに対し、800形は伊賀車輛の「新世代通勤電車」をベースに開発された。新世代通勤電車は、NTR今北の車両とは多少異なる工法により製造されている。そのため、屋根部分などがNTR今北などの車両と異なる見た目だ。

 走行機器は豊鳥電機製造の機器をメインで使用している。700形が津喜電機(当時)の機器をメインで採用していたのとは対照的だ。1C8M制御であり、8両編成の場合MT比は1:1、10両編成の場合3:2である。700形に引き続き、永京都市圏では比較的珍しく先頭車両が制御電動車となっている。

 内装は上記の通り700形のデザインを概ね受け継いでいるが、床を掃除しやすいよう、座席の下にある暖房機器を小型化。片持ち座席に改良した。それ以外で目立つ点は、扉をステンレス素材の色を活かしたシルバーとしていることである。

 これらの設計は、いずれも2005年時点で「今後の津鐘電鉄の標準設計」とされた設計である。実際に2016年まであまり変更されずに製造され続けており、確かに「津鐘電鉄」の標準設計として採用され続けていた。

 しかし、2017年7月に津鐘電鉄が両得電鉄と合併すると、津鐘電鉄の標準設計は「両得電鉄の異端設計」となってしまった。ある程度同じ設計の車両が存在するのと、定期的なメンテナンスは当面津鐘車両センターで行うため、特別問題があるわけではない。

 両得電鉄となった2017年度は800形改め「両得10系700番台」となったわけだが、もう導入されない…… と思いきや、2017年度も増結用電動中間車10両と10両編成3本が導入される予定。津鐘電鉄は伝統的に年度末に車両が搬入されるので、最初から10系700番台としてデビューすることになる編成は、2018年1~3月ごろにデビューすることになるだろう。

 

変化

 800形は10年以上に及ぶ長い導入期間の中で、多少の設計変更が行われた。一番わかりやすいのはドア上の案内表示機が千鳥配置のLEDからLCDに変更されたことだろう。

 LCDが初めて採用されたのは、2009年度に導入された編成からである。この時点では15インチタイプを採用しており、2007年から17インチタイプのLCDを採用していた10系30番台に比べて画面が小さかった。

 2015年度に導入された編成からは、両得ベイコネクトなどへの直通乗り入れや、光鐘空港開港に備え17インチタイプのLCDを採用。画面のデザインも両得電鉄と同じものとなり、両得電鉄との合併が近いということを感じさせられる出来事でもあった。編成の長さも初めて10両編成となっている。

 

レア車

 800形は両得光鐘線(津鐘車両センター所属車両)の中で最も数が多い電車である。しかし、一見普通に見えても、鉄道好きは「レア車だこれ!!」という編成も存在する。

 

2015年以降導入車(レア度★)

 2015年度以降導入車は、最初から10両編成で導入されている編成であり、2017年度も3本が導入される。また、8両編成を10両編成にするための増結用電動中間車もこのグループに含まれる。このグループのレアポイントは「ドア」だ。

 このグループの車両内にある、ドアの近くに立ってみると、身長約175cmの筆者の目の位置あたりが窓の上辺であることがわかる。また、窓ガラスの淵の部分が金属となっており、何となく懐かしさを感じさせる??ポイントとなっている。

 このグループは、ドアを従来のものから変更しているのだ。従来のドアは、窓の上辺が側面窓の上辺の高さと微妙に異なっており、窓上に貼られている広告ステッカーが窮屈そうだった。変更された理由は「いたずら防止」とのことだが、ドアの窓ガラスが若干小さくなっているので、多少のコストカットもできている設計なのかもしれない。

 ちなみに、8両編成を10両編成にするための増結用電動中間車も同様の設計である。この電動中間車の面白いところは、他の車両がLED表示機(または15インチLCD)であるのに対し、2015年以降導入車の仕様である17インチLCDとなっていることだ。

 よく「LCDはLED表示機と配線関係が異なる……」みたいな鉄道オタク話を聞くが、このLCDはLED表示機の配線そのままで表示できるLCDらしいのだ。一方、デジタルサイネージの表示は増結用車関係なしに出来ないそうで、設置されていない。

 

架線検測用カメラ搭載車10-704編成(レア度★★★)

 乗ったところでよくわからないのがこのレア車の特徴。津鐘電鉄でも架線検測を行うことがあるが、その際に必要機器を搭載して架線検測を行うことができるようになっているという。

 正直な話、パンタグラフ周りを駅近くの歩道橋などで観察しないと、よくわからない。

 

SiC試験車10-703編成(レア度★★★)

 2016年度から豊鳥電気製造製のハイブリッドSiCモジュール適用VVVFインバータ制御装置の試験採用を行っている編成。実は、ハイブリッドSiCが使われているVVVFインバータ制御装置は、津喜側の先頭1・2号車のみで試験採用されている。10-703編成が来ても、津喜側の車両でなければ普通のIGBT-VVVFインバータなので注意。

 注目されている10-703編成津喜寄りユニットの走行音は、通常のIGBT-VVVFインバータよりも加減速時の音程が高い。

※内装は他の編成と変わりません。


※このページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2018年03月24日

当ページ公開開始日 2017年09月18日