駅・場所探訪

※2018年時点の内容のため、現在の設定と異なる箇所があります※

津古線

津喜医療センター駅(現在の椿森駅

 マンションと戸建てが入り混じる2車線の道路を歩くと、電車の音が聞こえてきた。どこから聞こえているか探してみると、トンネルの中へ進む電車を見ることができた。

 津喜医療センター駅は、1994年にできた比較的新しい駅である。実際は1994年に廃止された旧線の祐光駅を移転した扱いなので、1994年に移転し駅名が変更されたという表記のほうが正しい。

 ホームは地下にある。津喜医療センターが駅に隣接しているため、駅付近は掘割部に蓋がされていて地下区間となっている。津古線ホームは地下1階にあり、2面2線の相対式。ラッシュ時は若葉の森線への乗り換え客でにぎわう。なお、若葉の森線ホームは地下3階にあり、こちらは2面3線となっている。

 駅の南にはウインチ・ラーメンというラーメン屋がある。この店の店名の由来は、津喜公園に跡が残る旧陸軍鉄道連隊のウインチ台だという。1950年代からあるお店で、初代店主が鉄道連隊に所属していたそうだ。現在の店主は4代目。脱サラして30歳の時からラーメン修行を始めた45歳の店主である。

 ウインチ・ラーメンのラーメンは醤油ラーメンであるが、他の店の醤油ラーメンに比べてとても味が濃い。これは初代店主の頃から代々受け継がれている味で、初代店主がしょっぱいものが好きだったからだという。ちなみに、4代目店主は塩分を控えるようにお医者さんから言われているので、味見以外で店のラーメンを食べることはほぼないそうだ。

 ウインチ・ラーメンの魅力をあるお医者さんに聞いてみた。

 「ウインチ・ラーメンはしょっぱくていいですよね。普段は「塩分を控えてください」と患者さんに言っているんだけど、ついつい塩分たっぷりのウインチ・ラーメンが食べたくなってしまう。いつも誘惑に負けるんですよね。たまたま患者さんが隣に座っているのに気が付くと、いつも焦ります。そして気付かれると「塩分を控えてくださいと言っている人が、ウインチ・ラーメンを食べているとは何事だ!!」と逆に怒られます。

三倉部駅

 「始発列車多数!!」

 三倉部駅近くの不動産物件には、こんな売り文句が必ず書かれているという。三倉部駅は実際に始発列車が多いが、そのほとんどは日中に運行されていることに注意しなければならない。

 三倉部駅は2面3線の駅で、西側が1面2線、東側が1面1線となっている。駅舎はホームの上にあり、東側から1~3番線となっている。日中は2番線が折り返し電車専用ホームとして使われるが、アーバンループ直通と若葉の森線直通を合計して7分30秒間隔で電車が折り返す。発車したらすぐ次の電車が入線する感じだ。一方、ラッシュ時は津喜方面に向かう各駅停車が急行を退避するためのホームとなる。

 駅前の道は古くからある道で、最近は改良が進み車道・路側帯・歩道共に広くなっているが、いまだに狭い箇所もある。中には車道以外のスペースが排水溝の蓋の上しかないところまである。しかも、朝はとても渋滞する。

 駅周辺はマンションが増えたものの、昔からある住宅や「鎮守の森」と呼ばれる三倉部神社・都我公園もある。都我公園は別名「森公園」と呼ばれており、地域住民の憩いの場となっている。その名の通り木々が密集している公園で、夕方になるとたくさんの子供たちが遊具で遊んだり、ベンチでゲーム対戦したりしている。

 駅の北には「鉄道カフェさくらべ」がある。小学校の北に隣接しており、建物は東西に細長い。駐車場から中を見ると、かつて津古線でも走っていた両得20系電車の姿を見ることができる。

 中に展示されている両得20系は、津古線で活躍していたころの仕様で展示されている。カフェで食事をした人は、中に入ることも可能だ。今では珍しくなった古い両得電車の中で、子供がはしゃいでいた。

 この店のオーナーは両得電鉄のOB。現役時代は運転士の指導を行うほど運転が上手い運転士だったという。2017年の7月に運転台の改造を行い、加減速の操作を行うと、それに応じて音が出るようにした。また、前にモニターを設置することで、津古線の運転シミュレーションもできるようになった。

 オーナーもたまに運転シミュレーションを楽しむことがあるが、お客さんに迷惑をかけてはならないと営業時間外に「テスト」と称して運転する。幕は「普通 古林」、列車番号もきちんと変更し、津喜駅を発車する。一度始めると、終点の古林まで運転する。ただ、古林に到着するまでは何十分も時間がかかるので、たまに行き先を「中沼」に設定することもあるとか(中沼には留置線がある)。

津喜動物公園(愛生)駅

 その名の通り津喜動物公園の最寄り駅である。「愛生(あいおい)」という副駅名があるが、これは津喜動物公園が開園する前までの駅名である。

 津喜動物公園は1986年に開園した。かつては遊園地も併設されていたが、2011年に遊園地部分は閉鎖。その後動物園部分が拡張され、従来よりも多くの動物を見ることができるようになった。2007年頃は、一世を風靡した動物がいる動物公園として多くの人が訪れた。津喜~中沼間の区間臨時電車が多数運行されていたり、周辺の道路が渋滞したりしたのは懐かしい思い出である。

 駅の東側には津喜県立愛生高等学校がある。この高校はバスケットボール部が非常に強く、全国大会に何度も出場している。だが、今は美術部も注目されている。

 美術部に所属する時田巧さんは、雨の日の夜を描いた作品を数多く描いている。彼の作品は濡れた地面や歩く人の表情を見事に描いている。数多くの賞を受賞しており、両得電鉄が走る光景も描いた。

北萩線

浜実(現在は八田山線の駅)

 北萩線の駅あるあるの中で、最もポピュラーなのが「遠くに煙突が見える」である。浜実駅もやはり遠くに煙突が見える駅だ。

 各駅停車しか止まらない駅ではあるが、各駅停車の本数が多くて鹿居の隣駅である。駅周辺にはたくさんのマンションがある。当然利用客数も多い。

 駅は2面2線。東側にはNTRの浜実駅がある。ホームには一通り近代的な駅に必ずあるような電光掲示板やエレベーターなどの設備が備わっている。しかし、狭い。端の方は特に狭くて、人がすれ違うのがやっとという有様である。おかげで、朝ラッシュ時は改札口付近に人が集中してしまう。

 西口の駅前には駄菓子屋さんがある。この駄菓子屋さんは1960年代から続く店であり、現在は二代目のおばちゃんが切り盛りしている。中に入ると、昔懐かしい派手な色のチョコだとか、「無果汁」だとはつゆ知らず食べていたさくらんぼ風味の四角いやつだとかが並んでいる。ここのおばちゃんは「叱るべきことは叱る」というタイプのおばちゃんで、親からの評判も概ねいいという。

 ただ残念なことに、歳をとって店を切り盛りするのが難しくなってきたということで、今年度いっぱいで店をほかの人に譲るという。

 「もう私は卒業。小学生は6年で卒業だけど、私は一体何年やってきたんだろうね(笑い)」

 ちなみに、店を継ぐことになったのは、かつてこの駄菓子屋さんにお世話になっていた20代の若者だという。来年の春からは、きっとこの若者たちの悪戦苦闘の日々が始まることとなるだろう。

八宿駅

 津喜臨海鉄道神宮線が上を走る2面4線の駅。この駅で急行の通過待ちをする各駅停車は多い。そもそもこの駅を通過する列車も多い。

 回りは浜実同様マンションが多いが、ある一角は一軒家が多い。かつて一面田畑が広がっていたころから住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんが主に住んでいるというが、その方々がひいきにしている電気屋さんが東口にある。

 「デンキの辻」は、1959年創業。現在は三代目が店を切り盛りしている。三代目が店を継いだのは5年前のことだった。

 「前の父ちゃんは頼りになったけど、この若造はなぁ」

 こういうことを言う人が結構多かったという。けれど、日々真面目にそして優しく仕事を続け、今では「やっと一人前に近づいたな」と言われるようになったとか。

 近所に家電量販店があるが、この近くに住むおじいちゃんやおばあちゃんは口をそろえて言う。「デンキの辻がいいよ」と。デンキの辻の自慢は、アフターサービスである。電話一本で駆けつけ、トラブルを解決したり、新しい部品を持って行ったりする。辻さんは「当たり前ですよ」というが、なかなか大規模な店だと難しい。そんなことをやっているからこそ、評判が良いのだろう。

 ちなみに、2008年から2013年の間、「辻」の左上の下の点が黒いガムテープで書かれていたという。これは元々左の点が一つの方の字を用いていたからである。

睦井駅

 「睦井は急行止まるからいいよな」

 睦井は北萩線の途中駅で最も便利な駅の一つだろう。駅も4面7線と規模が大きい。これは古房急行の始発駅でもあるからだ。

 北萩駅の周辺は、マンションだけではなく駅前に商業施設がある。最も大きいのは「リヒト睦井店」だ。その近くに、模型店「睦井模型」がある。

 「睦井模型」の入口には、鉄道をはじめ戦車、ロボット、車など様々な模型が置かれている。しかし、取り扱っている商品は9割が鉄道模型なので注意しなければならない。実際、この店を訪れ戦車の模型を買おうとしたら、「Nゲージの線路を走れる」戦車しかなかったというエピソードがある。

 戦車がないなら車は…… と油断してはならない。車も、タイヤ部分が車輪になっている保線用みたいな車だったり、バスの下に台車が付いているものだったり…… おそらく店長が既製品を改造したと思われるものしか売られていない。

 「そもそも俺は鉄道模型を買うから問題ない」

 いやいや、睦井模型は甘くない。睦井模型にある鉄道車両の模型は、青系の塗装の模型しかない。赤い鉄道車両の模型はないし、さらにステンレスカーの鉄道模型もない。さらに、レールやホームなどもなく、本当に青い鉄道車両の模型しかないのである。ちなみに、車(のようなもの)も青い。さすがに戦車(Nゲージ対応)は迷彩色だった。

 果たして、こんなんで店をやっていけるのかが不安になるが、店主にとって鉄道模型屋は副業だという。本業は一体何をしているかよくわからないのだが、噂では「たばこ屋」だとか、「八百屋」だとか言われている。

 真相を確かめるべく店主に聞くと、店は赤字だという。しかし、そもそも仕入れることがほぼないので月々の赤字額は少なく、たばこ屋を営んでいる兄がいつも料理を食べさせてくれるということで、なんとか生きていけているそうだ。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2019年09月11日

当ページ公開開始日 2019年09月11日