津喜電鉄 3000系

 不気味な音。それは、新型電車がやってくる合図だった……

 

 1986年夏。津喜電鉄と津喜電機という、名前が似ているけれど直接的なつながりはない会社同士が新型電車を開発した。その名を3000系という。

 

 3000系の目玉は、当時最新鋭の技術だったGTO-VVVFインバータ制御。従来の制御装置と比較して省エネルギー化できるほか、VVVFインバータで架線から終電した直流電気を交流電気に変換して交流モーターを動かせる。この交流モーターというのは、直流モーターよりもメンテナンスが楽であり、「省エネ、メンテナンスフリー」を謳い文句に津喜電機など各社が売り込んでいたという。

 

 しかし、最新鋭の技術ゆえに初期不良などのトラブルに悩まされた。その最たる例として、VVVFインバータから発せられる高周波ノイズの影響による誘導障害が挙げられる。これは信号システムや踏切制御装置へ影響を与えるものであり、安全に関わる事案だった。

 

 そこでノイズをカットするフィルタを装備したり、VVVFインバータを改良型に交換してノイズを提言するなどの対策を行った。ちなみに、津喜電機製VVVFインバータ制御装置そのものは関西地方や両得電鉄などでテストを重ねており、1985年時点では実用化まであと一歩の段階に達していた。

 

 さて、当時のVVVFインバータ制御装置のわかりやすい特徴と言えば、乗れば嫌でも聞けるあの加速音だろう。メーカーや製造時期、型番などによってその加速音は変わるが、津喜電鉄3000系の場合、「お化け」に例えられることがある。他の形式では「幽霊」や「竜巻」に例えられることもあり、ろくな例えが存在しないのだが、実際そのような例えをしたくなるような音をしているものである。

 新技術を採用した3000系であるが、登場当時から津喜電鉄→両得津電線を活動の拠点としている。車両自体としては少数派の部類に入るが、2016年度からVVVFインバータ制御装置の更新(SiC-VVVF化)を行っており、性能も後に登場した津喜電鉄5000系と同程度となった。ベイコネクトへの直通運用が2018年3月に廃止された影響で2編成が廃車となったものの、更新車に関しては現在も現役である。

 

 車両更新に関しては、VVVFインバータ制御装置のみならず、内装の更新(10系200番台に準じた設備へ)や車体塗装の変更(こちらも10系200番台に準じている)を行っている。「津喜電鉄」は津喜県と国の交通政策の影響を受け、両得電鉄に吸収されてしまった。とはいえ、両得電鉄吸収後も「津電をご利用いただき……」というアナウンスは続いているし、オリジナルデザインの各種サイン類も変わっていない。吸収前から続くブランドを今も維持しようとする姿勢が伺える。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2019年09月02日

当ページ公開開始日 2019年08月01日