沖縄電鉄 車両解説

5000系

1981年に登場した5000系は、沖縄電鉄にとって日本返還後初の新形式です。「本土の車両にも劣らない高品質な車両」を目指して設計されており、製造は車両の品質に定評がある岐阜車輛が手がけました。

車体は鋼鉄製です。それまでの車両がアメリカなどの影響を受けたステンレス製だったことを考えると意外な選択ですが、これは導入コストの削減が目的。浮いたお金で貧弱な設備を改良し、電車を増発しようと考えていたのです。増発するにも安い電車の方が有利という理由もあります。

一方制御装置は4000系と同じく抵抗制御。こちらは実績のある装置を採用することで、メンテナンスの効率化や故障リスク削減をねらいました。

5000系最大の特徴は、戸袋窓が沖縄電鉄の車両で唯一存在することです。当時は昼間など明るい時間帯に車内の蛍光灯を消して運行することがありました。そのため、できるだけ車内を明るくするために戸袋部分にも窓を設けたのです。しかし5000系の後に登場した車両では戸袋窓が廃止されてしまい、沖縄電鉄では5000系でしか見られないものとなってしまいました。

さて、鋼鉄製の5000系を導入する際に一つ問題がありました。それは「車体に塗装をする設備がない」ということです。それまでの車両は前記の通りステンレス車両だったので、塗装をする必要性がなかったのです。この問題を解決したのは、バスのメンテナンスを請け負う工場の存在でした。工場の塗装担当者を車両基地まで呼び、バスではなく電車を塗装してもらったのです。この関係は今でも続いており、ついにはバスのメンテナンス工場が車両基地の隣に移転しました。

6000系

1990年に登場した6000系は、引き続き高品質な岐阜車輛製の車体を採用しつつ、制御装置をVVVFインバータに変更するなど、新しい設計も取り入れた車両です。

車体は前面部分のライト配置が変わったことを除くと、5000系と同じように見えます。しかし、側面を見ると「なんか5000系と違う」と誰もが思うことでしょう。その「違い」は車内に入るとはっきりとわかります。6000系にはまず戸袋窓がありません。これだけでも印象が違うものですが、何よりも窓の真ん中に横向きの窓枠がないのです。これは一段下降窓を採用したからであり、車内からの眺めが改善されています。たかが窓枠されど窓枠です。

制御装置は茨原製作所製のVVVFインバータ。それまでは津喜電機と茨原製作所の電装品を採用していた沖縄電鉄でしたが、この6000系以降の車両は茨原製作所の電装品をメインで採用するようになっています。

近頃(2018年)は部品の生産が終了していることもあり、メンテナンスの際に部品を確保するのが大変なようです。そのため、「制御装置関係を更新するかもしれない」とのこと。

7000系

2003年に登場した車両。車体の製造は引き続き岐阜車輛が担当しています。まずエクステリアデザインを見ると、4000系以来となるステンレス製車体が採用されていることが目につきます。しかし、その印象は4000系と明らかに異なります。横方向の凹凸が多い4000系と異なり、すっきりとした見た目のステンレスボディーは岐阜車輛の標準設計に基づいています。同様の車体は永京都市圏など他の都市圏を走る車両でも見ることができ、「どこかで見覚えがある」という人もいるかもしれません。架空鉄道ですけど。

7000系をじっくりと観察していると「初期の標準型車両だな」と感じさせる要素がいくつかあります。座り心地が悪い座席(導入途中から改善された)がその代表例だったりするのですが、私が注目したいことは「固定窓」を採用したという点です。

固定窓というのは、文字通り固定された窓のこと。そのため窓を開閉することはできませんが、窓を固定することにより列車すれ違い時のばたつきを抑えたり、また車体構造を簡素化できたりするメリットがあります。車体構造を簡素化できれば、その分の工賃がなくなるのでコストダウンできるというわけです。

南国沖縄において「窓が開閉できるかできないか」というのは、かつては大きな問題でした。冷房を搭載していなかった車両では、よく窓を開けて風が入るようにしていたものです。しかし、冷房を搭載した電車が当たり前になると、窓を開けることがかえって「よくないこと」になりました。逆に車内の冷気が外に逃げ出してしまうからです。

というわけで、7000系が登場したころ、電車の窓をわざわざ開ける人はほとんどいませんでした。そのため、思い切って窓を固定し、開閉できないようにしたのです。この試みは永京都市圏など他の地域の通勤電車でも行われていましたが、特に永京都市圏においては非常時の換気問題があり固定窓は姿を減らしました。それでも、九州など一部地域では引き続き固定窓を採用している鉄道があり、やはり換気問題などがあっても固定窓のメリットというのは無視できないのです。

さて、制御装置は6000系に引き続き茨原製作所のものを採用していますが、7000系からは高性能な「車両情報管理システム」というものが導入されました。NTR今北のNIMSや、両得電鉄のRIMSと同じ設計のものです。沖縄電鉄には「NIMS」という名称で導入されており、この装置のおかげで車両のメンテナンスなどが随分と楽になったものです。ちなみに、このNIMSを製造しているメーカーは津喜電機(現在の津喜製作所)です。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2019年04月17日

当ページ公開開始日 2018年11月11日