京香本線

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起点の業平駅は複数の私鉄が乗り入れるターミナル駅。京香電鉄のホームがあるのは、北東側のエリアです。

 

業平駅周辺は京香電鉄を含めた複数の私鉄が開発競争を繰り広げるエリア。京香電鉄は北東エリアを重点的に開発していますが、規模は両得電鉄や鹿原鉄道のものと比べると劣ります。両得や鹿原は郊外から都心部まで乗りとおす客が多いのに対し、京香電鉄は船瀬などの駅で他の路線に乗り換えられてしまいます。

 

「なんで京香電鉄って郊外から都心部まで乗りとおす人が少ないの??」

 

「ルートが不利なんだよね。線形はだいぶ改良されたとはいえ、最高速度は110km/h。ライバルの両武快速や両得電鉄は120km/h(特急除く)だし、設備も複々線。速度でも本数でも太刀打ちできないのが辛い」

 

「そういえば、1両の長さも京香電鉄の方が短いね。18mだっけ」

 

「うん。京香電鉄は18mだね。NTRや両得は20m」

 

業平~立中間は新京香線の電車も乗り入れます。新京香線は椿菜や尾城を経由して矢尾へと向かう路線ですが、業平~椿菜間の利用が多いのが特徴です。理由は、ライバルのNTR常盤本線が都心部まで多少遠回りしているから。船瀬で乗り換えられてしまう本線と逆の立場というわけです。

 

そんなこともあり、業平~立中間は京香電鉄で最も利用客が多い区間。複々線化も検討されていますが、用地買収をしなければならないなどの理由で複々線化されていません。ラッシュ時になると電車が渋滞し、先行列車が前に見えることが良くあります。

 

「京香電鉄ってあまりパッとしないイメージよね」

 

「下町エリアを走る電車として知られてはいるけれど、沿線の観光名所って鳴田と尾身川くらいだもんな。あと下町エリアか。鉄オタとしてはフリー切符が下町エリアしか使えないというのがどうも気に入らない」

 

「大手鉄道ではあるし、利用客が少ないわけじゃないのにね」

 

「特急専用電車が無いというのもインパクトに欠ける部分かもしれない。かといって、鳴田や尾身川まで有料特急で行くか?? という話になるんだけどさ」

 

「まあ、座れれば楽だけど有料特急で行くのは抵抗ある距離だな」

 

「ところでさ、京香電車が指定席導入すると思う」

 

「思わないね」

 

「俺は今の時点ではしないと思う。ただ、新型通勤電車を開発しているみたいだし、ライバルのことを考えると導入してもおかしくないと思うんだけどね」

 

「京香電鉄の車両ってリース会社所有なんだっけ」

 

「最近…… といっても2000年ぐらい以降に導入された車両はリース会社所有らしい。それ以前の車両は知らない」

 

「あまり車両をリース会社が所有している例って無くない??」

 

「あることはあるんだよね。東海道高速電車は一時期タックスヘイブンに本拠地があるリース会社が一部車両を所有していたらしいし、一部の高速線の車両もリース会社が所有していたのが存在するらしいぞ」

 

「タックスヘイブンってなんだっけ?? コンビニの名前だっけ」

 

「違うわ」

 

「ヘビメタバンドの名前??」

 

「なんでヘビメタなんだ。違うわ。タックスヘイブンってのはな、一定の課税が著しく軽減されたり、免除される国や地域のこと。パナマ文書問題でも話題になったみたいだな(俺、そこらへんのことは疎いからな)」

 

立中を過ぎると利用客があまり多くない区間になります。とはいえ、永京都心に近いので混雑はします。ここから船瀬までは小さな駅が多く、インターアーバンらしい雰囲気の区間となります。

 

「インターアーバンって、ドイツの高速道路??」

「それはアウトバーン」

 

「じゃあ、路面凍結のことか」

 

「それはアイスバーン。おふざけはここまでにして、インターアーバンというのは『都市間連絡電車』のことだ。『インターバン』っていう人もいるぞ」

 

「京香電車って『都市』を結んでいる感じがしないなぁ」

 

「確かに、『都市と都市』というよりかは『都市と郊外』を結ぶという感じがするよな。京香電車、インターアーバンの定義に当てはまるといわれると少し怪しい部分はあるんだけど、初期の頃は併用軌道があったし、主な収入源は旅客輸送収入。他のインターアーバンでも行われていた高頻度運転も、結構初期の段階から行っていた」

 

「でも京香電鉄って本数少ないない??」

 

「比較対象がすごいからね。両武線とか両得電鉄とかと比べてはいけない。でも大昔の両武本線って本数少なかったんだから。一日に何本とかそんなレベル」

 

「今じゃ考えられないですね。混雑度ランキングワーストの常連でしたっけ」

 

「確かに各駅停車の混雑はひどいよな。いまだに6ドア車が走っているレベルだし……」

 

「さすがに一日数本レベルの運行本数というのは大昔すぎるけど、でも国有鉄道時代は本数が少なかった。ラッシュ時はまあまあ本数があったけど、日中は『長い列車を長い間隔で走らせればええだろ』という感じだった。まあ、津喜支社(当時の津喜鉄道管理局)って個性的な支社だから、いろんな人がいていろんな意見があったせいで増発するのが遅かったのよね」

 

「津喜支社ねぇ。花見のついでにストライキをする人もいれば、通過駅でもホームの監視を行ったり、細かい部分までアナウンスする駅員や車掌もいる。確かに個性的だわ」

 

「京香電鉄も1980年代はストライキ多かったぞ。というのも、不動産開発で調子に乗りすぎて、凄い経営危機になったんだよね。官僚クラスの人が社長の代理をしたり、赤字なのに塗料代が高い赤い塗装をしたり……」

 

「後者はさすがにネタでしょ」

 

「でも確かに赤い塗装をしていたんだよな。ただ、「色がきつい」って意見があって、経営再建が進んだころから元の青系塗装に戻った。ちなみに、かつての社長が好んだ花はバラ。やっぱり赤色だった」

 

「インターアーバンの話に戻るけど、永京都市圏の電車って大体高頻度運転じゃない。だから、みんなインターアーバンに当てはまったりするのかな??」

 

「もともと貨物輸送もやっていたり、併用軌道が一切ない鉄道として建設された路線もある。だから、歴史的経緯を考えると『インターアーバン』と呼ぶのがふさわしくない路線もあるよね」

 

「そういえば、京香電鉄って標準軌だね。標準軌の路線ってインターアーバン率高くない??」

 

「インターアーバン発祥の地はアメリカなんだけど、あるインターアーバンが標準軌を採用していて、その私鉄を見習って標準軌を採用したというところが多いらしい。ただ、京香電鉄の場合は永京都電車(路面電車)に乗り入れるため、もともとは馬車軌だったぞ」

 

「なんで改軌した??」

 

「地下鉄深芝線に乗り入れるとき、同じく地下鉄深芝線に乗り入れる寺浜急行の線路幅に合わせることになった。それで改軌させられたんだ。それと、国が特殊な線路幅の路線を無くそうとしていたという理由もある」

 

「そんな理由があったのね。関係ないけど、標準軌の線路って関西私鉄みたいな感じがする」

 

「確かに関西の私鉄は標準軌多いからな」

 

船瀬から先の区間は京香電鉄の独占区間。並行する路線が存在しないため、8両編成など長い電車が本領を発揮する区間です。ただ残念なのが、沿線に目立った名所が無いということ。多くの乗客が船瀬へ行ったり、桂台から両得津古線に乗り換えたりします。

 

車庫があるのは船瀬と桂台の間にある矢尾駅。建設された当時は大きな車庫でしたが、車両数、編成数の増加により手狭になってきました。そこで、1990年代に一部機能を鳴田の先にある矢指に移転。どちらの駅にも「矢」という字がついていますが、これは偶然。たまたま都合のよい土地があるのが矢指だっただけです。

 

京香寺崎付近は、かつて城下町だったころの雰囲気をかすかに残しています。蔵のまちとして知られており、一部のエリアはドラマの撮影にもよく使われます。この京香寺崎を過ぎると、のどかな区間になります。

 

ここから鳴田までの区間で特徴的なのは、チューリップが植えられている沼沿いのエリア。風車もあり、オランダチックな景色が車窓を彩ります。

 

鳴田にはお寺があります。このお寺の参道は坂道になっており、途中には名物のうなぎ屋さんがあります。うなぎ屋さんの古い建物とうなぎの香りは、津喜県が選ぶ「後世に残しておきたい光景」に選ばれています。お正月になると、初詣に訪れた人で大いににぎわいます。

 

そんな鳴田を過ぎると、車窓はさらにのどかになります。日中は特急が20分間間隔で運行されますが、それ以外の列車は運行されません。特急もすべての駅に止まるようになり、実質的に各駅停車となってしまいます。

 

あまり移り映えしない景色を眺めるのに飽き飽きしてきたところで、終点の尾身川に到着です。尾身川から永京都心までは両得電鉄という選択肢もあります。両得電鉄は古林を通るため多少遠回りですが、その分永京駅などに直接アクセスする列車も存在。利便性はそれなりに高いです。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2018年05月30日

当ページ公開開始日 2018年05月30日