インド狭軌鉄道

空想の鉄道です。

 ある財閥が狭軌鉄道を敷設した。インドの鉄道は広軌が主流であるが、建設コストを削減するため、あるいは狭い土地でも走らせられるようにするために狭軌にしたらしい。あれから何十年たったのだろうか。

 これは、インドの狭軌私鉄を走る仲間たちのお話。

 インドは人口が多い。だから、鉄道を利用する人もその分多い。狭軌鉄道にも同じことが言える。だから、都心部を走る通勤電車は数が多い。運行している財閥が製造した電車もあれば、最近は日本やブラジルから輸入した中古電車も多く走っている。

 インドの鉄道と言えば、ドアから乗客がはみ出ているのに走る姿を想像する人もいるかもしれない。事実、今でもそのような路線は存在しているけれど、狭軌鉄道の場合、その大半はきちんとドアが閉まった状態で走っている。ただ、「ドアが閉まっている」だけであって、混雑がひどいというのは変わらない。

 1990年代から狭軌鉄道では、数々の改革を行ってきた。まず電車の安全性を向上させること。これは信頼性の高い信号システム(日本型P-ATS)の採用と、電車そのものを増やして「ドアからはみ出ている」ことがないようにしたことである。次に駅や電車をきれいにして、最近では点字ブロックが敷設されている駅もあるらしい。

 これらの改革の過程で、日本やブラジルの中古通勤電車が導入されてきた。NTR今北両得電鉄永急電鉄ブラジル旅客鉄道…… 一時期は日本で引退いた4ドア通勤電車の大半が、インドかインドネシアに譲渡されていると言われたほどである。一方で国産電車の導入も続いている。2020年には日系車両メーカーのインド工場が開設され、順次新型車両の比率を増やしていくらしい。

 通勤電車は地方でも走っている。地方の通勤電車というのは、大抵が国産電車である。たまに日本やブラジルの中古もあるが、そのようなステンレス製の維持しやすい電車というのは、大抵ニューデリーやムンバイに振り分けられてしまう。地方での主力は、サイケな国産電車だ。

 地方の区間は、財閥の管理外の路線もある。じゃあ、誰が維持しているかというと、ほかの財閥や中には個人が維持している路線もあるらしい。しかも、線路の所有者以外が電車を走らせていたりなんかして、カオスだ。だから、「サイケな国産電車」にはバリエーションがある。

 サイケな電車というのは、大抵前に名前が書いてある。この名前というのは運転士の名前である。しかも、中に乗り込むとその運転士が大音量で音楽を流している。日本では考えられない。あと、凝りに凝った飾り付けをしている人もいたりして、アトラクションのような楽しさがある。

 さて、2020年にインド狭軌鉄道の財閥管理区間はエリアごとに分割されるらしい。分割前の今も各地で電車の塗装が異なっているのだが、分割後はさらに塗装のバリエーションが増えるんじゃないかと、私は少しわくわくしている。


※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2019年08月31日

当ページ公開開始日 2019年08月31日