海上線

概要

 海上線(うなかみせん)は、風杜府風杜市の宇宿駅(うやどえき)から、海上県海上市の堀川駅(ほりかわえき)までを結ぶ鉄道路線です。2023年10月14日以降、宇宿駅から坪倉駅までを富原旅客鉄道(NR富原)、坪倉駅から堀川駅までを海上みなも鉄道が運行しています。

 風杜都心と海上県だけでなく、その先の西倉県南部や上原県東部を結ぶ重要な役割を果たしています。旅客列車だけでなく、貨物列車も多く運行されています。

 ラインカラーはエメラルドグリーン、駅ナンバリングは風杜駅-宇宿駅-富原水上駅間にて設定されており、「TU00」が各駅に設定(風杜駅のTU01から富原水上駅のTU14まで)されています。

 1892年に「海上鉄道(旧)」が宇宿駅-富原水上駅間を開業させたのが始まりで、その後1985年に富原水上駅-坪倉駅、1900年には坪倉駅-御殿駅、1903年には御殿駅から堀川駅までが全通しています。富原水上駅-御殿駅間の建設は、当時の技術では非常に困難なものでしたが、トンネルや大きな橋を架けて険しい地形を克服しました。

運行形態

 快速と各駅停車がそれぞれ運行されています。

 昼間のNR線区間は、快速(3ドア8両)が風杜駅-坪倉駅間で毎時2本(30分から40分前後の間隔)、各駅停車(4ドア8両)が風杜駅-富原水上駅間で毎時5本ほど、富原水上駅-坪倉駅間で毎時1本ほど運行されています。

 快速は風杜駅を出ると、宇宿、武本、花畑、岩佐、富原水上に停車し、富原水上から坪倉までは各駅に止まります。

 海上みなも鉄道区間の坪倉駅-海上駅間では、3ドア4両編成の普通列車(各駅に停車)が毎時1本ほど運行されています。

区間別解説

NR富原区間

 当路線の起点は宇宿駅(うやどえき)ですが、線路自体は富原本線の風杜駅(かぜもりえき)まで続いています。風杜駅の当路線ホームは、1面2線が割り当てられています。朝ラッシュ時は花畑→風杜駅間で最大15本が運行されるため、折り返しの時間を可能な限り短くして多くの列車を発着させています。特急も基本的に風杜駅発着となっていますが、ラッシュ時など一部の時間帯に限り富原本線のホームから発車することがあります。

 風杜駅から五香駅(ごこうえき)までは、富原本線及び風杜環状線の線路に並行して進んでいきます。海側から富原本線急行線、緩行線、海上線、風杜環状線の線路がそれぞれ複線で並んでおり、合計で8本の線路が都心を貫いていきます。度々列車が併走する光景も見ることができ、鉄道好きでなくても目を奪われそうな眺めです。


 五香駅で風杜環状線、起点の宇宿駅で富原本線と別れると、線路は地上に降りて複線区間が続いていきます。起点の宇宿駅は2面4線の駅で、列車の待避が可能な構造となっています。この駅までゆっくり走らざるを得なかった特急は、ここで普通列車または各駅停車を抜かし、一気に最高速度の130km/hまで加速していきます。

 武本駅(たけもとえき)は私鉄の風杜電鉄貝原本線、風杜快速鉄道に接続している駅です。風杜快速鉄道は三平駅を経由し、風杜環状線の内側を通って風杜駅へと向かいます。この駅で当路線から乗り換える乗客も多いですが、逆に風杜-宇宿間のどこかに通勤する場合は当路線の方が早く到着する場合もあり、私鉄から当路線に乗り換える乗客も多いようです。そのような事情もあり、当路線所属駅の那珂では最も利用客数の多い駅(宇宿駅は富原本線所属駅)となっています。

 当路線は駅間距離が長く、度々新駅設置の要望が沿線自治体より出されます。2000年代に入りいくつかの駅が設置されましたが、2023年10月14日には武本駅と次の綾瀬駅(あやせえき)の間に2つの駅が出来ました。NR富原では、原則として新駅設置のための費用は100%自治体に負担させることとしており、2駅とも風杜府と宇宿市が半分ずつ負担して出来ました。

 綾瀬駅は、風杜メトロ1号線に接続している駅です。風杜メトロ1号線は、風杜メトロで最も利用客の多い路線です。中心部を南北に貫いているほか、郊外の星野(ほしの)や茂原(もばら)なども結んでおり、存在感の大きい路線でもあります。しかし、風杜駅まで向かう場合は当路線の方が速いことから、1号線から乗り換えて都心へ向かう人が多いようです。

 花畑駅(はなばたけえき)では風杜電鉄石塚線に接続しています。駅周辺には国道78号線も通っており、都心部までの利便性は申し分ありません。ライバルの風杜電鉄石塚線は、ラッシュ時に当路線の列車よりも速い優等列車を設定して対抗しています。そのため、この駅で岩佐方面からの乗客が結構乗り換えていってしまうようです。

 駅の近くには野球の強豪校として知られる風杜府立花畑高等学校や、宇宿市内で最も大きな病院である花畑総合病院、さらに美術館もあって、学生や定期外利用客にもおなじみの駅となっています。

 岩佐駅(いわさえき)まで来ると郊外の雰囲気が強くなっていきます。岩佐駅では風境線と風杜電鉄田町線に接続しています。風杜電鉄田町線はこの駅が起点で、風杜都心には行きません。そのため、田町線沿線にから風杜都心へ通勤する人は、この駅で当路線に乗り換えます。風境線沿線のよつば台、徳永、北栄、川本駅周辺に住む人々も同様に、この駅で当路線に乗り換えて通勤する人が多いようです。

 駅の近くには風杜文芸ミュージアムがあります。時折有名な作家に関する企画展を行っているようで、各地から本好きが集まってきます。

 石和駅を出るとだんだんとのどかな景色が見えてきます。山が迫ってきて、高陽駅(こうようえき)まで来ると地形も次第に険しくなっていきます。高陽駅の次の富原水上駅(とみはらみなかみえき)は、風杜電鉄水上線と接続しているほか、運行系統の分断地点でもあります。この駅を境に沿線人口が減り、需要も減少します。そのため、毎時5~6本運行されている風杜方面の各駅停車はこの駅止まり(ラッシュ時などの一部を除く)で、この駅からは4両編成の普通列車が海上へ向かいます。駅の周辺には風杜府立水上高等学校があるほか、その周辺は住宅地となっています。

 富原水上駅を出ると、線路の勾配がどんどん急になっていきます。御殿駅まで続く「川谷峠」の険しい道のりは、鉄道が出来る以前からのものです。並行している国道76号線(海上街道)も、幾度となく改良工事を行い現在の姿となりました。昭和の頃は狭く急な道が続き、迂回路もありませんでした。

 鉄道においても同様で、蒸気機関車が走っていたころは途中の古峠駅(ことうげえき)、小薮駅(こやぶえき)、坪倉駅(つぼくらえき)にスイッチバックが設けられていました。スイッチバックで方向を変えても、機関車1両だけではパワー不足ということで、補助の機関車を連結して重連で走ったり、後ろから押していたそうです。

 長い間当路線の名物となっていたスイッチバックですが、何回も折り返すのは手間と時間がかかることから、1979年に古峠駅と小薮駅、1989年に坪倉駅のスイッチバックが解消されています。それ以外の場所も新たにトンネルを掘るなどして線形を改良しており、現在は所々に名残が残るのみとなっています。

海上みなも鉄道区間

 2023年10月14日より、坪倉駅から海上方面側の区間は海上みなも鉄道が運行しています。NR南東高速線の開通に伴い、並行在来線となったからです。

 当路線で最も標高が高い坪倉駅(つぼくらえき)は、2面4線と側線を有する大きな駅です。駅周辺にはほとんど人が住んでいませんが、峠道の貴重な休憩地点として昔から重要な役割を果たしてきました。駅の西側に隣接して5線ほど設けられている側線も、蒸気機関車が走っていたころの名残です。しかし、側線が使われなくなってもう何十年も経っており、線路には草が生えてしまっています。


 坪倉駅を出ると、後は堀川駅へ向かって坂を下り続けます。御殿駅(ごてんえき)は山の麓に最も近い町で、この駅を出たあたりから沿線に民家が見え始めてきます。

 原市駅(はらいちえき)では海上鉄道川上線に接続しています。海上鉄道は川沿いの人口密集地を通りますが、当路線は田畑や水田が広がる田舎道を通ります。

 堀川駅(ほりかわえき)では南東本線と合流。路線の終点はこの駅ですが、すべての列車が次の海上駅まで直通します。実質的な終点である海上駅(うなかみえき)は、海上駅の県庁所在地である海上市の中心駅です。海上県は農業と漁業・林業が盛んな県ですが、海上駅の周辺には製薬会社の工場や、家電工場、半導体工場があり、工業も栄えているようです。

むかしばなし

坪倉駅~堀川駅移管以前

 2023年10月14日ダイヤ改正以前は、坪倉駅~堀川駅間もNR富原が運行していました。

 南東高速線開通に伴い廃止された特急は、風杜駅-堀川駅-海上駅(南東本線)間で運行されており、1時間に1本から2本ほど走っていました。停車駅は風杜を出ると、岩佐(一部のみ停車)、富原水上、坪倉(一部のみ停車)、御殿、原市(一部のみ停車)、海上となっていました。なお、堀川駅-海上駅間では、特急を利用する場合に限り折り返し乗車が可能(堀川駅に特急が停車しないため)な制度が設けられていました。

 特急以外には普通列車(一部駅通過)と各駅停車が運行されており、普通列車は3ドア車で、風杜駅-堀川駅-海上駅間を走る列車(8両)が毎時1本、風杜駅-富原水上駅間(8両)及び、富原水上駅-海上駅間の区間列車(4両)がそれぞれ毎時1本運行されていました。風杜を出ると、宇宿、武本、花畑、岩佐、富原水上に停車し、富原水上から堀川・海上までは各駅に停車しました。

 各駅停車は4ドア8両編成で、毎時5本から6本ほどが、風杜駅-富原水上駅間で運行されていました。


※当ページの内容はフィクションです※

当ページ最終更新日 2023年10月29日

当ページ公開開始日 2023年06月15日