津久茂電鉄

概要

 津久茂電鉄(つくもでんてつ)は、津喜県奈原市の野手駅(のてえき)と津喜県桃志市の桃志駅(ももしえき)を結ぶ本線(ほんせん)、津喜県平松市の北平松駅(きたひらまつえき)と平松駅(ひらまつえき)を結ぶ平松線(ひらまつせん)、そして桃志駅から澪上駅(みおかみえき)を結ぶ桃志線(ももしせん)の3つの路線から構成されています、津喜県東部に広がる海岸「津久茂浜(つくもはま)」各所に点在している海水浴場や漁村を結ぶ鉄道として、1920年代に建設されました。1930年代には南の片貝(かたかい)を経由して、NR外郷線の上得一ノ宮(かとくいちのみや)駅まで線路を延ばす計画もあったようです。

 全国的には絶叫マシンと水族館を有する「ひらまつマリンランド」へのアクセス路線として知られています。ひらまつマリンランドは津久茂電鉄が1960年代から運営しているテーマパークで、「テーマパークで稼いでいる鉄道会社」として有名です。また米菓製造業者としても知られており、もはやその実態は鉄道会社と言うより遊園地とおせんべいの会社といったほうがいいでしょう。

路線データ

 管轄 津久茂電鉄

 軌間 1067mm

 単線区間 全線

 野手-桃志間入線可能両数 10両

 桃志線入線可能両数 4両

 電化区間 全線(1500V) 桃志線は2010年に直流600Vから変更。

 保安装置 両得ATS

 最高速度 80km/h

 運転司令所 津久茂電鉄指令室

運行形態

 野手駅~桃志駅間の電車は、ほぼすべて結急奈原線の奈原駅まで直通運転を行っています。運行間隔は桃志駅-澪上駅間を除いて20分間隔(2022年3月変更までは15分間隔)で、桃志駅-澪上駅間は40分または1時間間隔で運行されています。また、朝には結急電鉄津喜線の永京駅まで直通する電車が一日4本運行されており、この電車は結急電鉄10系4100番台で運行されます。

 野手駅から桃志駅は行き違いの時間を含めて40分。平松線は片道8分、桃志線は片道18分です。

車両

 本線3連6運用、平松線2連1運用、桃志線1連1運用、予備3連3本。

140系

 2022年度に3両が導入される新型車両です。2009年度に導入された160系以来の新造車両で、結急電鉄40系1000番台と共通設計の車両です。ワンマン運転に対応しているほか、1両単位での柔軟な運行が可能となっており、2023年春に運行を開始する予定となっています。

170系

 2013年にNR永津線で走っていた1528系を3両編成に改造した車両です。

 桃志方先頭車はセミクロスシートに改造されましたが、それ以外はロングシートのままです。

 2013年度に3連2本、2014年度に3連2本が導入されました。2021年時点では3連4本体制です。

160系

 2008年に両得10系0番台ベースの車両として、3連2本が導入されました。津久茂電鉄で初めてのステンレス車両です。2009年には3連1本が追加導入され、現在は3連3本体制です。

130系

 現在は両得電鉄時代の塗装に復元された3連2本が活躍しています。

 1971年に登場した通勤型車両です。当時の津久茂電鉄は両得電鉄(当時)などの中古車両で運行されていましたが、夏になると海水浴客で非常に混雑したことや、沿線の通勤・通学需要による混雑を緩和するため、新型車両を導入することにしました。両得電鉄20系をベースに設計されたこの車両は、1971年と1972年に2両編成5本が導入され、津久茂電鉄の新しい顔として大活躍することになります。

 1973年から開始された津久茂電鉄所属車両による両得電鉄直通運転は、原則としてこの130系が充当されました。当時の運用では、2編成つなげた4両編成で奈原線奈原駅まで走り、そこで両得電鉄所属の20系を4両増結して8両で津喜駅まで走りました。この運用は編成数の変更を経て2008年3月まで続けられていました。

 1977年には3両編成が2本導入されました。従来よりも輸送力に余裕があることから、桃志方先頭車を転換クロスシートとしています。1980年には既存の2両編成5本が3両編成化され、長い間130系3連7本と旧型車両による運用が続けられました。

 2005年になると、1950年代~1960年代に製造された自社発注車を置換えることになり、両得50系を譲受してこれを130系に編入しました。このとき編入された車両は4両編成3本で、車いす対応の洋式トイレを新たに設置しているのが特徴です。

 2009年に160系の導入に伴い、1971年導入の3連2本が廃車された他、2013年から2014年にかけて3連1本と4連3本、2023年度に3連2本が廃車されました。

解説

 上谷から両得本線で約85km。2面3線の野手駅は、津久茂電鉄の起点だ。駅があるのは人口20万人の奈原市で、野手駅は住宅地の中にある。駅前には2008年に大型ショッピングセンターがあり、利用客は多い。

 この周辺に住む人々は、奈原駅周辺や富街市内(富街空港含む)に職場がある人が多い。中には津喜や永京に職場がある人もいるが、永京までは距離があるため、あまりいないという。

 

奈原に行くの、北平出るか、直接行くか。

 平松駅以東の住民は、奈原へ行くために二つの選択肢を選ぶことになる。このことを表した言葉「奈原に行くの、北平出るか、直接行くか」は、1990年制作の連続ドラマ「直接会えば変わったのかな」のワンフレーズである。なお、「北平」は「北平松」の略である。西船橋を「西船」と略すのと同じような意味だ。

 「直接行くか」はその名の通り奈原行き電車で直接奈原に行くルートだが、快速が無かったり、駅の数が多くて時間がかかったりする。一方「北平出るか」は、津久茂電鉄響田線で北平松へ向かい、そこからNR両武本線で奈原へ向かうルートのことを表している。こちらは乗り換える必要があるが、駅数が少なく時間短縮ができる。一方、列車の乗り継ぎが上手くいかないことがあるなど不便な点も存在している。

 ドラマが放送されていた時期は、八駅周辺に3校高校があった頃であり、奈原へ向かう高校生は進学校として知られる奈原高校へ向かう生徒くらいであった。しかし、高校の廃統合により八駅周辺の高校は1校に減少。一方、奈原には新しい高校ができたことにより、奈原へ向かう生徒は増加傾向にある。その多くは、「北平出るか」のルートで奈原に向かっている。

 なお、平松以東から奈原方面の高校に向かう生徒は3分の1程度しかおらず、残りの3分の2は桃志の「桃志高校(お山)」「桃志商業高校(桃商)」へ向かうようだ。

 

スズメバチになる??

 八駅に隣接する「雀台高校」の生徒は、最寄り駅の「八」と校名の「雀」を組み合わせ「スズメバチ」と呼ばれることがある。特に1970年代から1990年代後半頃にかけてよく使われていたそうだ。この頃、雀台高校の生徒はヤンキーが多く、中には夜中にバイクで暴走したりなど悪さをしていた生徒もいたという。その凶暴さも「スズメバチ」という言い方を定着させる理由となった。お世辞にもいい意味では使われていなかったようだ。

 一方、2000年代後半頃になると、偏差値が高くなっていき奈原高校を上回った年もあった。生徒のマナーもかなり良くなり、今度は「社会性が高い」という良い意味で「スズメバチ」と呼ばれるようになった。

 かつては「スズメバチになる??」は悪い意味で使われており、テスト点数が割るかった生徒がよく言われていた言葉だったが、今では逆に成績が良い生徒に言われるような言葉になった。

 

海と共に

 津久茂電鉄線は、沿岸を走る。しかし、住宅や茂みに隠れて海そのものはあまり見えない。一方、東洗足~萩園間のように防波堤のすぐ脇を走る区間もあり、列車によっては減速する。

 海にあこがれて津久茂電鉄沿線に移住する人は多く、ラッシュ時の両得本線直通電車(4両)は他の列車に比べて混雑する。ホームの長さが6両編成分しかなく、両得本線に6両編成の車両がないため、これ以上長くできないのが悩みの種だ。

 一方、海が近いということは、それだけ塩害対策に悩まされるという事である。長年主力だった130・150系は鋼鉄製であり、車体の保全には苦労してきたという。とはいえ、津久茂電鉄は車体の手入れが丁寧とよく言われる。沿線の人に「津久茂電鉄の電車にさびが浮いているのを見たことありますか??」とインタビューしたところ、「見たことがある」と答えた人はいなかった。

 

電車の長さに現れる事情

 2013年まで、ラッシュ時に6両編成の電車が津喜まで直通運転していた。この6両編成は、津久茂電鉄所属の3両編成を2編成連結して運行されていたが、津喜側の区間では不評だった。長距離を走る上に、長さが短いので混雑したのだ。

 現在、津久茂電鉄の電車は4両または3両で運行されている。「短い」と言われることが多いが、これには津久茂電鉄の事情が深くかかわっている。

 津久茂電鉄の車両基地は平松にある。この車両基地は1990年の連続ドラマ、2004年の特番ドラマ、2017年のアニメ映画に登場することで知られているが、狭い。この車両基地には、最大で4両編成の電車を止めることができる。しかし、ほとんどの線路には3両編成の電車しか止められない。つまり、津久茂電鉄の電車全てを4両にすることは不可能だ。

 また、八駅以東あたりから利用客数が少なくなり、平松以東はラッシュ時でもかなり余裕がある。時間によっては、4両編成は輸送力過剰になるため、ちょうどいい3両編成にしているという事情もある。

 3両編成という、一見中途半端な長さの電車も、実は理にかなった長さなのだ。

 

私たちの萌え

 津久茂電鉄では、2008年に「吉崎えり」という萌えキャラクターを登場させた。このキャラクターには「私たちの萌え」というコンセプトがある。キャラクターをデザインしたのは「スズメバチ」こと雀台高校美術部の生徒。また、季節ごとに変わる服装は沿線の高校が持ち回りで担当している。他の鉄道の萌えキャラがほとんど外部のデザイナーによりデザインされたのと比べると、対照的である。

 萌えキャラを登場させた鉄道の中には、せっかく登場させたのに生かす機会が無かったり、否定意見によって次第に活用されなくなってしまったキャラもいる。しかし「私たちの萌え」というコンセプトにより登場した吉崎えりは、人気キャラクターになったどころか、ついにアニメにも登場することになった。

 上記の経緯や、グッズの開発が沿線の桃志商業高校によって行われていたりすることから「最も地域に密着した萌えキャラ」と呼ばれている。コラボレーションも津久茂電鉄沿線で開発された商品などに限定されており、あくまでも「津久茂電鉄沿線の萌えキャラ」であることにこだわっている。

 吉崎えりは、津久茂電鉄沿線民にとっての「私たちの萌え(キャラ)」なのである。

桃志~澪上間

 桃志から澪上までの区間は、2006年に廃止されることが計画されていた。しかし、桃志市が路線の存続を希望しており、当面廃止しないことが決定。そして、2010年に電圧が600Vから1500Vに昇圧され、平松、野手方面との直通運転が開始された。

 利用者数が少ない区間であり、設備は貧弱だ。レールは37kgレール、架線は直接吊架式であり、ホームの長さも80mちょっとしかない。20m車4両が入線するとかなりギリギリに止まらなければならないほか、しかも端っこは砂利であることすらある。

駅の間隔が短い区間があり、電車はあまりスピードを出せない。運行本数は40分間隔で、隣駅までなら電車を待つより歩いたほうが早いということすらある。

 レトロな雰囲気だったり、こじんまりとした雰囲気の駅が多いのも特徴である。終点の澪上駅は最もよく知られた駅舎であり、開業以来の雰囲気を残しているほか、600V時代の車両が留置されている。たまに両得から10系の4連なんかが乗り入れてくる時があるが、昭和な光景の中に平成の電車が乗り入れるというのは、かなりの違和感がある。

津久茂電鉄1970

当時まだ現役だった旧型電車。両得電鉄の中古電車だという。

八駅ですれ違う電車。

駅の近くの海岸は、こんな感じだったと思う(イメージ写真)。



※当ページの内容はフィクションです。

当ページ最終更新日 2024年02月06日

当ページ公開開始日 2016年10月03日